焼け残つた土蔵を一家の住居に、それへさしかけて仮普請を見世にしてゐたのでございます。
尤も当時は俄仕込みの薬屋をやつて居りましたから、正徳丸とか安経湯とか或は又胎毒散とか、――さう云ふ薬の金看板だけは薬箪笥の上に並んで居りました。
其処に又無尽燈がともつてゐる、……と申したばかりでは多分おわかりになりますまい。
焼け残つた土蔵を一家の住居に、それへさしかけて仮普請を見世にしてゐたのでございます。
尤も当時は俄仕込みの薬屋をやつて居りましたから、正徳丸とか安経湯とか或は又胎毒散とか、――さう云ふ薬の金看板だけは薬箪笥の上に並んで居りました。
其処に又無尽燈がともつてゐる、……と申したばかりでは多分おわかりになりますまい。