彼はこの事業の為に三十六年の心血を瀝いだ。
が、死は彼の命と共に「井伊直弼伝」をも奪ひ去つてしまつた。
「こころざしなかばもとげぬ我身だにつひに行くべき道にゆきにけり」――水谷不倒の湖州君小伝によれば、死に臨んだ彼は満腔の遺憾をかう云ふ一首に託したさうである。
彼はこの事業の為に三十六年の心血を瀝いだ。
が、死は彼の命と共に「井伊直弼伝」をも奪ひ去つてしまつた。
「こころざしなかばもとげぬ我身だにつひに行くべき道にゆきにけり」――水谷不倒の湖州君小伝によれば、死に臨んだ彼は満腔の遺憾をかう云ふ一首に託したさうである。