けれどもこれだけの用意さへすれば、果して彼等の云ふやうに、人間らしい英雄を示し得るであらうか?
たとへば諸君の軽蔑する「漢楚軍談」を披いて見るが好い。
「漢楚軍談」の漢の高祖は秦の始皇の夢に入つたり、白帝の子たる大蛇を斬つたり、凡人ならざる半面を大いに示してゐるかと思へば、女楽を好んだり、士に傲つたり、凡人に劣らぬ半面をもやはり大いに示してゐる。
けれどもこれだけの用意さへすれば、果して彼等の云ふやうに、人間らしい英雄を示し得るであらうか?
たとへば諸君の軽蔑する「漢楚軍談」を披いて見るが好い。
「漢楚軍談」の漢の高祖は秦の始皇の夢に入つたり、白帝の子たる大蛇を斬つたり、凡人ならざる半面を大いに示してゐるかと思へば、女楽を好んだり、士に傲つたり、凡人に劣らぬ半面をもやはり大いに示してゐる。