さる程に三年あまりの年月は、流るるやうにすぎたに由つて、「ろおれんぞ」はやがて元服もすべき時節となつた。
したがその頃怪しげな噂が伝はつたと申すは、「さんた・るちや」から遠からぬ町方の傘張の娘が、「ろおれんぞ」と親しうすると云ふ事ぢや。
この傘張の翁も天主の御教を奉ずる人故、娘ともども「えけれしや」へは参る慣であつたに、御祈の暇にも、娘は香炉をさげた「ろおれんぞ」の姿から、眼を離したと申す事がござない。
さる程に三年あまりの年月は、流るるやうにすぎたに由つて、「ろおれんぞ」はやがて元服もすべき時節となつた。
したがその頃怪しげな噂が伝はつたと申すは、「さんた・るちや」から遠からぬ町方の傘張の娘が、「ろおれんぞ」と親しうすると云ふ事ぢや。
この傘張の翁も天主の御教を奉ずる人故、娘ともども「えけれしや」へは参る慣であつたに、御祈の暇にも、娘は香炉をさげた「ろおれんぞ」の姿から、眼を離したと申す事がござない。