したがかやうな罪人を、この儘「さんた・るちや」に止めて置いては、御主の「ぐろおりや」(栄光)にも関る事ゆゑ、日頃親しう致いた人々も、涙をのんで「ろおれんぞ」を追ひ払つたと申す事でござる。
その中でも哀れをとどめたは、兄弟のやうにして居つた「しめおん」の身の上ぢや。
これは「ろおれんぞ」が追ひ出されると云ふ悲しさよりも、「ろおれんぞ」に欺かれたと云ふ腹立たしさが一倍故、あのいたいけな少年が、折からの凩が吹く中へ、しをしをと戸口を出かかつたに、傍から拳をふるうて、したたかその美しい顔を打つた。
したがかやうな罪人を、この儘「さんた・るちや」に止めて置いては、御主の「ぐろおりや」(栄光)にも関る事ゆゑ、日頃親しう致いた人々も、涙をのんで「ろおれんぞ」を追ひ払つたと申す事でござる。
その中でも哀れをとどめたは、兄弟のやうにして居つた「しめおん」の身の上ぢや。
これは「ろおれんぞ」が追ひ出されると云ふ悲しさよりも、「ろおれんぞ」に欺かれたと云ふ腹立たしさが一倍故、あのいたいけな少年が、折からの凩が吹く中へ、しをしをと戸口を出かかつたに、傍から拳をふるうて、したたかその美しい顔を打つた。