なんの、それのみか、夜毎に更闌けて人音も静まる頃となれば、この少年はひそかに町はづれの非人小屋を脱け出いて、月を踏んでは住み馴れた「さんた・るちや」へ、御主「ぜす・きりしと」の御加護を祈りまゐらせに詣でて居つた。
なれど同じ「えけれしや」に詣づる奉教人衆も、その頃はとんと「ろおれんぞ」を疎んじはてて、伴天連はじめ、誰一人憐みをかくるものもござらなんだ。
ことわりかな、破門の折から所行無慚の少年と思ひこんで居つたに由つて、何として夜毎に、独り「えけれしや」へ参る程の、信心ものぢやとは知られうぞ。
なんの、それのみか、夜毎に更闌けて人音も静まる頃となれば、この少年はひそかに町はづれの非人小屋を脱け出いて、月を踏んでは住み馴れた「さんた・るちや」へ、御主「ぜす・きりしと」の御加護を祈りまゐらせに詣でて居つた。
なれど同じ「えけれしや」に詣づる奉教人衆も、その頃はとんと「ろおれんぞ」を疎んじはてて、伴天連はじめ、誰一人憐みをかくるものもござらなんだ。
ことわりかな、破門の折から所行無慚の少年と思ひこんで居つたに由つて、何として夜毎に、独り「えけれしや」へ参る程の、信心ものぢやとは知られうぞ。