翁は元よりさもあらうずなれど、ここに稀有なは「いるまん」の「しめおん」ぢや。
あの「ぢやぼ」(悪魔)をも挫がうず大男が、娘に子が産まれるや否や、暇ある毎に傘張の翁を訪れて、無骨な腕に幼子を抱き上げては、にがにがしげな顔に涙を浮べて、弟と愛しんだ、あえかな「ろおれんぞ」の優姿を、思ひ慕つて居つたと申す。
唯、娘のみは、「さんた・るちや」を出でてこの方、絶えて「ろおれんぞ」が姿を見せぬのを、怨めしう歎きわびた気色であつたれば、「しめおん」の訪れるのさへ、何かと快からず思ふげに見えた。
翁は元よりさもあらうずなれど、ここに稀有なは「いるまん」の「しめおん」ぢや。
あの「ぢやぼ」(悪魔)をも挫がうず大男が、娘に子が産まれるや否や、暇ある毎に傘張の翁を訪れて、無骨な腕に幼子を抱き上げては、にがにがしげな顔に涙を浮べて、弟と愛しんだ、あえかな「ろおれんぞ」の優姿を、思ひ慕つて居つたと申す。
唯、娘のみは、「さんた・るちや」を出でてこの方、絶えて「ろおれんぞ」が姿を見せぬのを、怨めしう歎きわびた気色であつたれば、「しめおん」の訪れるのさへ、何かと快からず思ふげに見えた。