とかうする程に、再火の前に群つた人々が、一度にどつとどよめくかと見れば、髪をふり乱いた「ろおれんぞ」が、もろ手に幼子をかい抱いて、乱れとぶ焔の中から、天くだるやうに姿を現いた。
なれどその時、燃え尽きた梁の一つが、俄に半ばから折れたのでござらう。
凄じい音と共に、一なだれの煙焔が半空に迸つたと思ふ間もなく、「ろおれんぞ」の姿ははたと見えずなつて、跡には唯火の柱が、珊瑚の如くそば立つたばかりでござる。
とかうする程に、再火の前に群つた人々が、一度にどつとどよめくかと見れば、髪をふり乱いた「ろおれんぞ」が、もろ手に幼子をかい抱いて、乱れとぶ焔の中から、天くだるやうに姿を現いた。
なれどその時、燃え尽きた梁の一つが、俄に半ばから折れたのでござらう。
凄じい音と共に、一なだれの煙焔が半空に迸つたと思ふ間もなく、「ろおれんぞ」の姿ははたと見えずなつて、跡には唯火の柱が、珊瑚の如くそば立つたばかりでござる。