息も絶え絶えな「ろおれんぞ」が、とりあへず奉教人衆の手に舁かれて、風上にあつたあの「えけれしや」の門へ横へられた時の事ぢや。
それまで幼子を胸に抱きしめて、涙にくれてゐた傘張の娘は、折から門へ出でられた伴天連の足もとに跪くと、並み居る人々の目前で、「この女子は『ろおれんぞ』様の種ではおぢやらぬ。
まことは妾が家隣の『ぜんちよ』の子と密通して、まうけた娘でおぢやるわいの」と思ひもよらぬ「こひさん」(懴悔)を仕つた。
息も絶え絶えな「ろおれんぞ」が、とりあへず奉教人衆の手に舁かれて、風上にあつたあの「えけれしや」の門へ横へられた時の事ぢや。
それまで幼子を胸に抱きしめて、涙にくれてゐた傘張の娘は、折から門へ出でられた伴天連の足もとに跪くと、並み居る人々の目前で、「この女子は『ろおれんぞ』様の種ではおぢやらぬ。
まことは妾が家隣の『ぜんちよ』の子と密通して、まうけた娘でおぢやるわいの」と思ひもよらぬ「こひさん」(懴悔)を仕つた。