或は又自ら兄とも思うた、あの「いるまん」の「しめおん」でござらうか。
やがてその寂寞たるあたりをふるはせて、「ろおれんぞ」の上に高く手をかざしながら、伴天連の御経を誦せられる声が、おごそかに悲しく耳にはいつた。
して御経の声がやんだ時、「ろおれんぞ」と呼ばれた、この国のうら若い女は、まだ暗い夜のあなたに、「はらいそ」の「ぐろおりや」を仰ぎ見て、安らかなほほ笑みを唇に止めたまま、静に息が絶えたのでござる。
或は又自ら兄とも思うた、あの「いるまん」の「しめおん」でござらうか。
やがてその寂寞たるあたりをふるはせて、「ろおれんぞ」の上に高く手をかざしながら、伴天連の御経を誦せられる声が、おごそかに悲しく耳にはいつた。
して御経の声がやんだ時、「ろおれんぞ」と呼ばれた、この国のうら若い女は、まだ暗い夜のあなたに、「はらいそ」の「ぐろおりや」を仰ぎ見て、安らかなほほ笑みを唇に止めたまま、静に息が絶えたのでござる。