その時は互に名乗りもせず、それなり別れてしまいましたが、今わたしの見た弥三右衛門は、当年の船頭に違いないのです。
わたしは奇遇に驚きながら、やはりこの老人の顔を見守っていました。
そう云えば威かつい肩のあたりや、指節の太い手の恰好には、未に珊瑚礁の潮けむりや、白檀山の匂いがしみているようです。
その時は互に名乗りもせず、それなり別れてしまいましたが、今わたしの見た弥三右衛門は、当年の船頭に違いないのです。
わたしは奇遇に驚きながら、やはりこの老人の顔を見守っていました。
そう云えば威かつい肩のあたりや、指節の太い手の恰好には、未に珊瑚礁の潮けむりや、白檀山の匂いがしみているようです。