が、今度は北条屋の不運に、愉快を感じたのではありません。
「昔の恩を返す時が来た」――そう思う事が嬉しかったのです。
わたしにも、御尋ね者の阿媽港甚内にも、立派に恩返しが出来る愉快さは、――いや、この愉快さを知るものは、わたしのほかにはありますまい。
が、今度は北条屋の不運に、愉快を感じたのではありません。
「昔の恩を返す時が来た」――そう思う事が嬉しかったのです。
わたしにも、御尋ね者の阿媽港甚内にも、立派に恩返しが出来る愉快さは、――いや、この愉快さを知るものは、わたしのほかにはありますまい。