ところがまだ囲いの障子に、火影がさしていましたから、そっとそこを窺おうとすると、いきなり誰か言葉もかけず、わたしの襟上を捉えたものがあります。
振り払う、また掴みかかる、――相手は誰だか知らないのですが、その力の逞しい事は、到底ただものとは思われません。
のみならず二三度揉み合う内に、茶室の障子が明いたと思うと、庭へ行燈をさし出したのは、紛れもない父の弥三右衛門です。
ところがまだ囲いの障子に、火影がさしていましたから、そっとそこを窺おうとすると、いきなり誰か言葉もかけず、わたしの襟上を捉えたものがあります。
振り払う、また掴みかかる、――相手は誰だか知らないのですが、その力の逞しい事は、到底ただものとは思われません。
のみならず二三度揉み合う内に、茶室の障子が明いたと思うと、庭へ行燈をさし出したのは、紛れもない父の弥三右衛門です。