ここはずっと町家のない土塀続きになっていますから、たとい昼でも人目を避けるには、一番御誂えの場所なのですが、甚内はわたしを見ても、格別驚いた気色は見せず、静かにそこへ足を止めました。
しかも杖をついたなり、わたしの言葉を待つように、一言も口を利かないのです。
わたしは実際恐る恐る、甚内の前に手をつきました。
ここはずっと町家のない土塀続きになっていますから、たとい昼でも人目を避けるには、一番御誂えの場所なのですが、甚内はわたしを見ても、格別驚いた気色は見せず、静かにそこへ足を止めました。
しかも杖をついたなり、わたしの言葉を待つように、一言も口を利かないのです。
わたしは実際恐る恐る、甚内の前に手をつきました。