それからその部屋へ行って見ると、ベッドだけは何故か二つもあるが、壁が煤けていて、窓掛が古びていて、椅子さえ満足なのは一つもなくて、――要するに金玉均の幽霊でもなければ、安住出来る様な明き間じゃない。
そこで私はやむを得ず、沢村君の厚意は無になるが、外の三君とも相談の上、此処から余り遠くない万歳館へ移る事にした。
三 第一瞥(中)
それからその部屋へ行って見ると、ベッドだけは何故か二つもあるが、壁が煤けていて、窓掛が古びていて、椅子さえ満足なのは一つもなくて、――要するに金玉均の幽霊でもなければ、安住出来る様な明き間じゃない。
そこで私はやむを得ず、沢村君の厚意は無になるが、外の三君とも相談の上、此処から余り遠くない万歳館へ移る事にした。
三 第一瞥(中)