例の如く人力車の御厄介になり、狭い町を幾つも通り抜けし後、やっと同楽茶園と言う劇場に至る。
紅に金文字のびらを貼れる、古き煉瓦造りの玄関をはいれば、――但し「玄関をはいれば」と言うも、切符などを買いし次第にあらず、元来支那の芝居なるものは唯ぶらりと玄関をはいり、戯を聴くこと幾分の後、金を集めに来る支那の出方に定額の入場料を払ってやるを常とす。
これは波多野君の説明によれば、つまるかつまらぬかわからぬ芝居に前以て金など出せるものかと言う支那的論理によれるもののよし。
例の如く人力車の御厄介になり、狭い町を幾つも通り抜けし後、やっと同楽茶園と言う劇場に至る。
紅に金文字のびらを貼れる、古き煉瓦造りの玄関をはいれば、――但し「玄関をはいれば」と言うも、切符などを買いし次第にあらず、元来支那の芝居なるものは唯ぶらりと玄関をはいり、戯を聴くこと幾分の後、金を集めに来る支那の出方に定額の入場料を払ってやるを常とす。
これは波多野君の説明によれば、つまるかつまらぬかわからぬ芝居に前以て金など出せるものかと言う支那的論理によれるもののよし。