僕は急に軍艦の銅鑼が見たくなつたから、ほかの連中より先にハツチを下りて、それを叩いて行く水兵に追ひついた。
所が追ひついて見るとぢやんぢやんの正體は銅鑼と云ふ名を與へるのが僭越な程、平凡なうすべつたい、けちな金盥にすぎなかつた。
僕は滑稽な失望を感じて、すごすご士官室の海老茶色のカアテンをくぐつた。
僕は急に軍艦の銅鑼が見たくなつたから、ほかの連中より先にハツチを下りて、それを叩いて行く水兵に追ひついた。
所が追ひついて見るとぢやんぢやんの正體は銅鑼と云ふ名を與へるのが僭越な程、平凡なうすべつたい、けちな金盥にすぎなかつた。
僕は滑稽な失望を感じて、すごすご士官室の海老茶色のカアテンをくぐつた。