さうしてそれが皆、大きな口をあいて、「勇敢なる水兵」の軍歌を唱つてゐた。
ケエプスタンの上に、甲板士官がのつてゐるのは、音頭をとつてゐるのであらう。
こつちから見ると、その士官と艦尾の軍艦旗とが、千人あまりの水兵の頭の上に、曇りながら夕燒けのした空を切りぬいて、墨を塗つたやうに黒く見えた。
さうしてそれが皆、大きな口をあいて、「勇敢なる水兵」の軍歌を唱つてゐた。
ケエプスタンの上に、甲板士官がのつてゐるのは、音頭をとつてゐるのであらう。
こつちから見ると、その士官と艦尾の軍艦旗とが、千人あまりの水兵の頭の上に、曇りながら夕燒けのした空を切りぬいて、墨を塗つたやうに黒く見えた。