僕は吊り革につかまったまま、夕明りの中に電燈をともした麹町の家々を眺め、今更のように「人さまざま」と云う言葉を思い出さずにはいられなかった。
三十分ばかりたった後、僕は従兄の家の前に立ち、コンクリイトの壁についたベルの鈕へ指をやっていた。
かすかに伝わって来るベルの音は玄関の硝子戸の中に電燈をともした。
僕は吊り革につかまったまま、夕明りの中に電燈をともした麹町の家々を眺め、今更のように「人さまざま」と云う言葉を思い出さずにはいられなかった。
三十分ばかりたった後、僕は従兄の家の前に立ち、コンクリイトの壁についたベルの鈕へ指をやっていた。
かすかに伝わって来るベルの音は玄関の硝子戸の中に電燈をともした。