三十分ばかりたった後、僕は従兄の家の前に立ち、コンクリイトの壁についたベルの鈕へ指をやっていた。
かすかに伝わって来るベルの音は玄関の硝子戸の中に電燈をともした。
それから年をとった女中が一人細目に硝子戸をあけて見た後、「おや……」何とか間投詞を洩らし、すぐに僕を往来に向った二階の部屋へ案内した。
三十分ばかりたった後、僕は従兄の家の前に立ち、コンクリイトの壁についたベルの鈕へ指をやっていた。
かすかに伝わって来るベルの音は玄関の硝子戸の中に電燈をともした。
それから年をとった女中が一人細目に硝子戸をあけて見た後、「おや……」何とか間投詞を洩らし、すぐに僕を往来に向った二階の部屋へ案内した。