平吉はその度に、医者から酒を禁じられるが、殊勝らしく、赤い顔をしずにいるのはほんのその当座だけで、いつでも「一合位は」からだんだん枡数がふえて、半月とたたない中に、いつの間にかまた元の杢阿弥になってしまう。
それでも、当人は平気なもので「やはり飲まずにいますと、かえって体にいけませんようで」などと勝手な事を云ってすましている。
しかし平吉が酒をのむのは、当人の云うように生理的に必要があるばかりではない。
平吉はその度に、医者から酒を禁じられるが、殊勝らしく、赤い顔をしずにいるのはほんのその当座だけで、いつでも「一合位は」からだんだん枡数がふえて、半月とたたない中に、いつの間にかまた元の杢阿弥になってしまう。
それでも、当人は平気なもので「やはり飲まずにいますと、かえって体にいけませんようで」などと勝手な事を云ってすましている。
しかし平吉が酒をのむのは、当人の云うように生理的に必要があるばかりではない。