一度も釣竿を持ったことのない僕は「百歩杭」でつれた魚の何と何だったかを知っていない。
しかし或夏の夜明けにこの河岸へ出かけて見ると、いつも多い釣師の連中は一人もそこに来ていなかった。
その代りに杭の間には坊主頭の土左衛門が一人うつむけに浪にゆすられていた。
一度も釣竿を持ったことのない僕は「百歩杭」でつれた魚の何と何だったかを知っていない。
しかし或夏の夜明けにこの河岸へ出かけて見ると、いつも多い釣師の連中は一人もそこに来ていなかった。
その代りに杭の間には坊主頭の土左衛門が一人うつむけに浪にゆすられていた。