僕の父の話によれば、この辺――二つ目通りから先は「津軽様」の屋敷だった。
「御維新」前の或年の正月、父は川向うへ年始に行き、帰りに両国橋を渡って来ると少しも見知らない若侍が一人偶然父と道づれになった。
彼もちゃんと大小をさし、鷹の羽の紋のついた上下を着ている。
僕の父の話によれば、この辺――二つ目通りから先は「津軽様」の屋敷だった。
「御維新」前の或年の正月、父は川向うへ年始に行き、帰りに両国橋を渡って来ると少しも見知らない若侍が一人偶然父と道づれになった。
彼もちゃんと大小をさし、鷹の羽の紋のついた上下を着ている。