この男が、何時、どうして、基経に仕へるやうになつたのか、それは誰も知つてゐない。
が、余程以前から、同じやうな色の褪めた水干に、同じやうな萎々した烏帽子をかけて、同じやうな役目を、飽きずに、毎日、繰返してゐる事だけは、確である。
その結果であらう、今では、誰が見ても、この男に若い時があつたとは思はれない。
この男が、何時、どうして、基経に仕へるやうになつたのか、それは誰も知つてゐない。
が、余程以前から、同じやうな色の褪めた水干に、同じやうな萎々した烏帽子をかけて、同じやうな役目を、飽きずに、毎日、繰返してゐる事だけは、確である。
その結果であらう、今では、誰が見ても、この男に若い時があつたとは思はれない。