当時はまだ、取食みの習慣がなくて、残肴は、その家の侍が一堂に集まつて、食ふ事になつてゐたからである。
尤も、大饗に等しいと云つても昔の事だから、品数の多い割りに碌な物はない、餅、伏菟、蒸鮑、干鳥、宇治の氷魚、近江の鮒、鯛の楚割、鮭の内子、焼蛸、大海老、大柑子、小柑子、橘、串柿などの類である。
唯、その中に、例の芋粥があつた。
当時はまだ、取食みの習慣がなくて、残肴は、その家の侍が一堂に集まつて、食ふ事になつてゐたからである。
尤も、大饗に等しいと云つても昔の事だから、品数の多い割りに碌な物はない、餅、伏菟、蒸鮑、干鳥、宇治の氷魚、近江の鮒、鯛の楚割、鮭の内子、焼蛸、大海老、大柑子、小柑子、橘、串柿などの類である。
唯、その中に、例の芋粥があつた。