そこで、彼は飲んでしまつた後の椀をしげしげと眺めながら、うすい口髭についてゐる滴を、掌で拭いて誰に云ふともなく、「何時になつたら、これに飽ける事かのう」と、かう云つた。
「大夫殿は、芋粥に飽かれた事がないさうな。
五位の語が完らない中に、誰かが、嘲笑つた。
そこで、彼は飲んでしまつた後の椀をしげしげと眺めながら、うすい口髭についてゐる滴を、掌で拭いて誰に云ふともなく、「何時になつたら、これに飽ける事かのう」と、かう云つた。
「大夫殿は、芋粥に飽かれた事がないさうな。
五位の語が完らない中に、誰かが、嘲笑つた。