藤井と云う弁護士は、老酒の盃を干してから、大仰に一同の顔を見まわした。
円卓のまわりを囲んでいるのは同じ学校の寄宿舎にいた、我々六人の中年者である。
場所は日比谷の陶陶亭の二階、時は六月のある雨の夜、――勿論藤井のこういったのは、もうそろそろ我々の顔にも、酔色の見え出した時分である。
藤井と云う弁護士は、老酒の盃を干してから、大仰に一同の顔を見まわした。
円卓のまわりを囲んでいるのは同じ学校の寄宿舎にいた、我々六人の中年者である。
場所は日比谷の陶陶亭の二階、時は六月のある雨の夜、――勿論藤井のこういったのは、もうそろそろ我々の顔にも、酔色の見え出した時分である。