総じてこの度の大変はやむを得ぬ仕儀とは申しながら、第一にはお留守居役の無分別よりことを破り、第二には又秀林院様御自身のお気性より御最期を早められ候も同然の儀に御座候。
然るに与一郎様の奥様にも御生害をお勧め遊ばされ候上は、わたくしどもにさへお伴を仕るやう、御意なされ候やも計り難く、愈迷惑に存じ居り候ところ、みなみな御前へ召され候間、如何なる仰せを蒙ることかと一かたならず案じ申し候。
十八、やがて御前へ参り候へば、秀林院様御意なされ候は、愈「はらいそ」と申す極楽へ参り候はん時節も近づき、一段悦ばしく候と仰せられ候。