その後京の「ぐれごり屋」と申す伴天連へも何やら横文字のお書置きをなされ、これはわたくしへお渡し遊ばされ候、この横文字のお書置きは五六行には候へども、秀林院様のお書き遊ばされ候には一刻あまりもおかかりなされ候。
これも序ゆゑ申し上げ候へども、このお書置きを「ぐれごり屋」へ渡し候節、日本人の「いるまん」(役僧)一人、厳かに申し候は、総じて自害は切支丹宗門の禁ずるところに御座候間、秀林院様も「はらいそ」へはお昇り遊ばさるることかなふまじく候、但し「みさ」と申す祈祷を奉られ候はば、その功徳広大にして、悪趣を免れさせ候べし。
もし「みさ」を修せられ候はんには、銀一枚賜り候へとのことに御座候。