なれども秀林院様にはおん憤り少からず、わたくしどもに御意なされ候は、生まれては山崎の合戦に太閤殿下と天下を争はれし惟任将軍光秀を父とたのみ、死しては「はらいそ」におはします「まりや」様を母とたのまんわれらに、末期の恥辱を与へ候こと、かへすがへすも奇怪なる平大名の娘と仰せられ候。
その節のおんありさまのはしたなさ、今も目に見ゆる心地致し候。
二十一、程なく小笠原少斎、紺糸の具足に小薙刀を提げ、お次迄御介錯に参られ候。
なれども秀林院様にはおん憤り少からず、わたくしどもに御意なされ候は、生まれては山崎の合戦に太閤殿下と天下を争はれし惟任将軍光秀を父とたのみ、死しては「はらいそ」におはします「まりや」様を母とたのまんわれらに、末期の恥辱を与へ候こと、かへすがへすも奇怪なる平大名の娘と仰せられ候。
その節のおんありさまのはしたなさ、今も目に見ゆる心地致し候。
二十一、程なく小笠原少斎、紺糸の具足に小薙刀を提げ、お次迄御介錯に参られ候。