「みどりの糸をくりおきて夏へて秋は機織りぞ啼く。
と、さわやかに詠じますと、たちまちそれは静まり返って、萩模様のある直垂を一領、格子の間から月の光の中へ、押し出して下さいました。
実はその侍と申しますのが、私の姉の一人息子で、若殿様とは、ほぼ御年輩も同じくらいな若者でございましたが、これを御奉公の初めにして、その後も度々難有い御懇意を受けたのでございます。
「みどりの糸をくりおきて夏へて秋は機織りぞ啼く。
と、さわやかに詠じますと、たちまちそれは静まり返って、萩模様のある直垂を一領、格子の間から月の光の中へ、押し出して下さいました。
実はその侍と申しますのが、私の姉の一人息子で、若殿様とは、ほぼ御年輩も同じくらいな若者でございましたが、これを御奉公の初めにして、その後も度々難有い御懇意を受けたのでございます。