さもなければ若殿様も、決してあれほどまでは御姫様へ、心を御寄せにはなりますまい。
何でも私が人伝に承わりました所では、初めはいくら若殿様の方で御熱心でも、御姫様は反って誰よりも、素気なく御もてなしになったとか申す事でございます。
いや、そればかりか、一度などは若殿様の御文を持って上った私の甥に、あの鴉の左大弁様同様、どうしても御門の扉を御開けにならなかったとかでございました。
さもなければ若殿様も、決してあれほどまでは御姫様へ、心を御寄せにはなりますまい。
何でも私が人伝に承わりました所では、初めはいくら若殿様の方で御熱心でも、御姫様は反って誰よりも、素気なく御もてなしになったとか申す事でございます。
いや、そればかりか、一度などは若殿様の御文を持って上った私の甥に、あの鴉の左大弁様同様、どうしても御門の扉を御開けにならなかったとかでございました。