しかもあの平太夫が、なぜか堀川の御屋形のものを仇のように憎みまして、その時も梨の花に、うらうらと春日が匀っている築地の上から白髪頭を露して、檜皮の狩衣の袖をまくりながら、推しても御門を開こうとする私の甥に、
「やい、おのれは昼盗人か。
盗人とあれば容赦はせぬ。
しかもあの平太夫が、なぜか堀川の御屋形のものを仇のように憎みまして、その時も梨の花に、うらうらと春日が匀っている築地の上から白髪頭を露して、檜皮の狩衣の袖をまくりながら、推しても御門を開こうとする私の甥に、
「やい、おのれは昼盗人か。
盗人とあれば容赦はせぬ。