おかげで井戸の水が腥い血潮に変ったものもございますし、持ち田の稲を一夜の中に蝗が食ってしまったものもございますが、あの白朱社の巫女などは、摩利信乃法師を祈り殺そうとした応報で、一目見るのさえ気味の悪い白癩になってしまったそうでございます。
そこであの沙門は天狗の化身だなどと申す噂が、一層高くなったのでございましょう。
が、天狗ならば一矢に射てとって見せるとか申して、わざわざ鞍馬の奥から参りました猟師も、例の諸天童子の剣にでも打たれたのか、急に目がつぶれた揚句、しまいには摩利の教の信者になってしまったとか申す事でございました。