二人の間はおよその所、半町ばかりもございましたろうか。
平太夫は気も心も緩みはてたかと思うばかり、跣足を力なくひきずりながら、まだ雲切れのしない空に柿若葉の匀のする、築土つづきの都大路を、とぼとぼと歩いて参ります。
途々通りちがう菜売りの女などが、稀有な文使いだとでも思いますのか、迂散らしくふり返って、見送るものもございましたが、あの老爺はとんとそれにも目をくれる気色はございません。
二人の間はおよその所、半町ばかりもございましたろうか。
平太夫は気も心も緩みはてたかと思うばかり、跣足を力なくひきずりながら、まだ雲切れのしない空に柿若葉の匀のする、築土つづきの都大路を、とぼとぼと歩いて参ります。
途々通りちがう菜売りの女などが、稀有な文使いだとでも思いますのか、迂散らしくふり返って、見送るものもございましたが、あの老爺はとんとそれにも目をくれる気色はございません。