それから二三度、御消息を御取り交せになった後、とうとうある小雨の降る夜、若殿様は私の甥を御供に召して、もう葉柳の陰に埋もれた、西洞院の御屋形へ忍んで御通いになる事になりました。
こうまでなって見ますと、あの平太夫もさすがに我が折れたのでございましょう。
その夜も険しく眉をひそめて居りましたが、私の甥に向いましても、格別雑言などを申す勢いはなかったそうでございます。
それから二三度、御消息を御取り交せになった後、とうとうある小雨の降る夜、若殿様は私の甥を御供に召して、もう葉柳の陰に埋もれた、西洞院の御屋形へ忍んで御通いになる事になりました。
こうまでなって見ますと、あの平太夫もさすがに我が折れたのでございましょう。
その夜も険しく眉をひそめて居りましたが、私の甥に向いましても、格別雑言などを申す勢いはなかったそうでございます。