御簾のひまから見える御池の水に、さわやかな星の光が落ちて、まだ散り残った藤の匀がかすかに漂って来るような夜でございましたが、その涼しい夜気の中に、一人二人の女房を御侍らせになって、もの静に御酒盛をなすっていらっしゃる御二方の美しさは、まるで倭絵の中からでも、抜け出していらしったようでございました。
殊に白い単衣襲に薄色の袿を召した御姫様の清らかさは、おさおさあの赫夜姫にも御劣りになりはしますまい。
その内に御酒機嫌の若殿様が、ふと御姫様の方へ御向いなさりながら、
御簾のひまから見える御池の水に、さわやかな星の光が落ちて、まだ散り残った藤の匀がかすかに漂って来るような夜でございましたが、その涼しい夜気の中に、一人二人の女房を御侍らせになって、もの静に御酒盛をなすっていらっしゃる御二方の美しさは、まるで倭絵の中からでも、抜け出していらしったようでございました。
殊に白い単衣襲に薄色の袿を召した御姫様の清らかさは、おさおさあの赫夜姫にも御劣りになりはしますまい。
その内に御酒機嫌の若殿様が、ふと御姫様の方へ御向いなさりながら、