予は絶えて久しい対面の嬉しさに、『ようこそ見えられた』と声をかけたが、姫君は悲しげな眼を伏せて、予の前に坐られたまま、答えさえせらるる気色はない。
と思えば紅の袴の裾に、何やら蠢いているものの姿が見えた。
それが袴の裾ばかりか、よう見るに従って、肩にも居れば、胸にも居る。
予は絶えて久しい対面の嬉しさに、『ようこそ見えられた』と声をかけたが、姫君は悲しげな眼を伏せて、予の前に坐られたまま、答えさえせらるる気色はない。
と思えば紅の袴の裾に、何やら蠢いているものの姿が見えた。
それが袴の裾ばかりか、よう見るに従って、肩にも居れば、胸にも居る。