粉微塵になった小屋の前には、あの無気味な摩利信乃法師が、薄色の袿を肩にかけて、まるで猿のように身をかがめながら、例の十文字の護符を額にあてて、じっと私どもの振舞を窺っているのでございます。
これを見た私は、元よりすぐにも一刀浴びせようとあせりましたが、どう云うものか、あの沙門の身をかがめたまわりには、自然と闇が濃くなるようで、容易に飛びかかる隙がございません。
あるいはその闇の中に、何やら目に見えぬものが渦巻くようで、太刀の狙いが定まらなかったとも申しましょうか。
粉微塵になった小屋の前には、あの無気味な摩利信乃法師が、薄色の袿を肩にかけて、まるで猿のように身をかがめながら、例の十文字の護符を額にあてて、じっと私どもの振舞を窺っているのでございます。
これを見た私は、元よりすぐにも一刀浴びせようとあせりましたが、どう云うものか、あの沙門の身をかがめたまわりには、自然と闇が濃くなるようで、容易に飛びかかる隙がございません。
あるいはその闇の中に、何やら目に見えぬものが渦巻くようで、太刀の狙いが定まらなかったとも申しましょうか。