甥と私とはこれを聞くと、まるで綱を放れた牛のように、両方からあの沙門を目蒐けて斬ってかかりました。
いや、将に斬ってかかろうとしたとでも申しましょうか。
と申しますのは、私どもが太刀をふりかぶった刹那に、摩利信乃法師が十文字の護符を、一しきりまた頭の上で、振りまわしたと思いますと、その護符の金色が、稲妻のように宙へ飛んで、たちまち私どもの眼の前へは、恐ろしい幻が現れたのでございます。
甥と私とはこれを聞くと、まるで綱を放れた牛のように、両方からあの沙門を目蒐けて斬ってかかりました。
いや、将に斬ってかかろうとしたとでも申しましょうか。
と申しますのは、私どもが太刀をふりかぶった刹那に、摩利信乃法師が十文字の護符を、一しきりまた頭の上で、振りまわしたと思いますと、その護符の金色が、稲妻のように宙へ飛んで、たちまち私どもの眼の前へは、恐ろしい幻が現れたのでございます。