と思うとまた、その中に旗のようなものや、剣のようなものも、何千何百となく燦いて、そこからまるで大風の海のような、凄じいもの音が、河原の石さえ走らせそうに、どっと沸き返って参りました。
それを後に背負いながら、やはり薄色の袿を肩にかけて、十文字の護符をかざしたまま、厳に立っているあの沙門の異様な姿は、全くどこかの大天狗が、地獄の底から魔軍を率いて、この河原のただ中へ天下ったようだとでも申しましょうか。
私どもは余りの不思議に、思わず太刀を落すや否や、頭を抱えて右左へ、一たまりもなくひれ伏してしまいました。