さっきから誦経を止めて、茫然と事の次第を眺めていた僧たちは、俄にどよめきを挙げながら、「打ち殺せ」とか「搦め取れ」とかしきりに罵り立てましたが、さて誰一人として席を離れて、摩利信乃法師を懲そうと致すものはございません。
三十一
すると摩利信乃法師は傲然と、その僧たちの方を睨めまわして、
さっきから誦経を止めて、茫然と事の次第を眺めていた僧たちは、俄にどよめきを挙げながら、「打ち殺せ」とか「搦め取れ」とかしきりに罵り立てましたが、さて誰一人として席を離れて、摩利信乃法師を懲そうと致すものはございません。
三十一
すると摩利信乃法師は傲然と、その僧たちの方を睨めまわして、