所がその声がまだ終らない中に、西の廊からただ一人、悠然と庭へ御下りになった、尊げな御僧がございます。
金襴の袈裟、水晶の念珠、それから白い双の眉毛――一目見ただけでも、天が下に功徳無量の名を轟かせた、横川の僧都だと申す事は疑おうようもございません。
僧都は年こそとられましたが、たぶたぶと肥え太った体を徐に運びながら、摩利信乃法師の眼の前へ、おごそかに歩みを止めますと、
所がその声がまだ終らない中に、西の廊からただ一人、悠然と庭へ御下りになった、尊げな御僧がございます。
金襴の袈裟、水晶の念珠、それから白い双の眉毛――一目見ただけでも、天が下に功徳無量の名を轟かせた、横川の僧都だと申す事は疑おうようもございません。
僧都は年こそとられましたが、たぶたぶと肥え太った体を徐に運びながら、摩利信乃法師の眼の前へ、おごそかに歩みを止めますと、