するとその印を結んだ手の中から、俄に一道の白気が立上って、それが隠々と中空へたなびいたと思いますと、丁度僧都の頭の真上に、宝蓋をかざしたような一団の靄がたなびきました。
いや、靄と申したのでは、あの不思議な雲気の模様が、まだ十分御会得には参りますまい。
もしそれが靄だったと致しましたら、その向うにある御堂の屋根などは霞んで見えない筈でございますが、この雲気はただ、虚空に何やら形の見えぬものが蟠まったと思うばかりで、晴れ渡った空の色さえ、元の通り朗かに見透かされたのでございます。
するとその印を結んだ手の中から、俄に一道の白気が立上って、それが隠々と中空へたなびいたと思いますと、丁度僧都の頭の真上に、宝蓋をかざしたような一団の靄がたなびきました。
いや、靄と申したのでは、あの不思議な雲気の模様が、まだ十分御会得には参りますまい。
もしそれが靄だったと致しましたら、その向うにある御堂の屋根などは霞んで見えない筈でございますが、この雲気はただ、虚空に何やら形の見えぬものが蟠まったと思うばかりで、晴れ渡った空の色さえ、元の通り朗かに見透かされたのでございます。