いや、靄と申したのでは、あの不思議な雲気の模様が、まだ十分御会得には参りますまい。
もしそれが靄だったと致しましたら、その向うにある御堂の屋根などは霞んで見えない筈でございますが、この雲気はただ、虚空に何やら形の見えぬものが蟠まったと思うばかりで、晴れ渡った空の色さえ、元の通り朗かに見透かされたのでございます。
御庭をめぐっていた人々は、いずれもこの雲気に驚いたのでございましょう。
いや、靄と申したのでは、あの不思議な雲気の模様が、まだ十分御会得には参りますまい。
もしそれが靄だったと致しましたら、その向うにある御堂の屋根などは霞んで見えない筈でございますが、この雲気はただ、虚空に何やら形の見えぬものが蟠まったと思うばかりで、晴れ渡った空の色さえ、元の通り朗かに見透かされたのでございます。
御庭をめぐっていた人々は、いずれもこの雲気に驚いたのでございましょう。