その頃大殿様の御邸には、十五になる良秀の一人娘が、小女房に上つて居りましたが、これは又生みの親には似もつかない、愛嬌のある娘でございました。
その上早く女親に別れましたせゐか、思ひやりの深い、年よりはませた、悧巧な生れつきで、年の若いのにも似ず、何かとよく気がつくものでございますから、御台様を始め外の女房たちにも、可愛がられて居たやうでございます。
すると何かの折に、丹波の国から人馴れた猿を一匹、献上したものがございまして、それに丁度悪戯盛りの若殿様が、良秀と云ふ名を御つけになりました。
その頃大殿様の御邸には、十五になる良秀の一人娘が、小女房に上つて居りましたが、これは又生みの親には似もつかない、愛嬌のある娘でございました。
その上早く女親に別れましたせゐか、思ひやりの深い、年よりはませた、悧巧な生れつきで、年の若いのにも似ず、何かとよく気がつくものでございますから、御台様を始め外の女房たちにも、可愛がられて居たやうでございます。
すると何かの折に、丹波の国から人馴れた猿を一匹、献上したものがございまして、それに丁度悪戯盛りの若殿様が、良秀と云ふ名を御つけになりました。