その上早く女親に別れましたせゐか、思ひやりの深い、年よりはませた、悧巧な生れつきで、年の若いのにも似ず、何かとよく気がつくものでございますから、御台様を始め外の女房たちにも、可愛がられて居たやうでございます。
すると何かの折に、丹波の国から人馴れた猿を一匹、献上したものがございまして、それに丁度悪戯盛りの若殿様が、良秀と云ふ名を御つけになりました。
唯でさへその猿の容子が可笑しい所へ、かやうな名がついたのでございますから、御邸中誰一人笑はないものはございません。
その上早く女親に別れましたせゐか、思ひやりの深い、年よりはませた、悧巧な生れつきで、年の若いのにも似ず、何かとよく気がつくものでございますから、御台様を始め外の女房たちにも、可愛がられて居たやうでございます。
すると何かの折に、丹波の国から人馴れた猿を一匹、献上したものがございまして、それに丁度悪戯盛りの若殿様が、良秀と云ふ名を御つけになりました。
唯でさへその猿の容子が可笑しい所へ、かやうな名がついたのでございますから、御邸中誰一人笑はないものはございません。