しかしこの良秀にさへ――この何とも云ひやうのない、横道者の良秀にさへ、たつた一つ人間らしい、情愛のある所がございました。
と申しますのは、良秀が、あの一人娘の小女房をまるで気違ひのやうに可愛がつてゐた事でございます。
先刻申し上げました通り、娘も至つて気のやさしい、親思ひの女でございましたが、あの男の子煩悩は、決してそれにも劣りますまい。
しかしこの良秀にさへ――この何とも云ひやうのない、横道者の良秀にさへ、たつた一つ人間らしい、情愛のある所がございました。
と申しますのは、良秀が、あの一人娘の小女房をまるで気違ひのやうに可愛がつてゐた事でございます。
先刻申し上げました通り、娘も至つて気のやさしい、親思ひの女でございましたが、あの男の子煩悩は、決してそれにも劣りますまい。