「もう好いから、あちらへ行つてくれ」と、今度は如何にも素つ気なく、云ひつけるのでございます。
弟子はかう云ふ時に逆ふと、何時でも大小言を云はれるので、匆々師匠の部屋から出て参りましたが、まだ明い外の日の光を見た時には、まるで自分が悪夢から覚めた様な、ほつとした気が致したとか申して居りました。
しかしこれなぞはまだよい方なので、その後一月ばかりたつてから、今度は又別の弟子が、わざわざ奥へ呼ばれますと、良秀はやはりうす暗い油火の光りの中で、絵筆を噛んで居りましたが、いきなり弟子の方へ向き直つて、
「もう好いから、あちらへ行つてくれ」と、今度は如何にも素つ気なく、云ひつけるのでございます。
弟子はかう云ふ時に逆ふと、何時でも大小言を云はれるので、匆々師匠の部屋から出て参りましたが、まだ明い外の日の光を見た時には、まるで自分が悪夢から覚めた様な、ほつとした気が致したとか申して居りました。
しかしこれなぞはまだよい方なので、その後一月ばかりたつてから、今度は又別の弟子が、わざわざ奥へ呼ばれますと、良秀はやはりうす暗い油火の光りの中で、絵筆を噛んで居りましたが、いきなり弟子の方へ向き直つて、