もしその時、弟子が袖をかざして、慌てゝ顔を隠さなかつたなら、きつともう疵の一つや二つは負はされて居りましたらう。
あつと云ひながら、その袖を振つて、逐ひ払はうとする所を、耳木兎は蓋にかかつて、嘴を鳴らしながら、又一突き――弟子は師匠の前も忘れて、立つては防ぎ、坐つては逐ひ、思はず狭い部屋の中を、あちらこちらと逃げ惑ひました。
怪鳥も元よりそれにつれて、高く低く翔りながら、隙さへあれば驀地に眼を目がけて飛んで来ます。
もしその時、弟子が袖をかざして、慌てゝ顔を隠さなかつたなら、きつともう疵の一つや二つは負はされて居りましたらう。
あつと云ひながら、その袖を振つて、逐ひ払はうとする所を、耳木兎は蓋にかかつて、嘴を鳴らしながら、又一突き――弟子は師匠の前も忘れて、立つては防ぎ、坐つては逐ひ、思はず狭い部屋の中を、あちらこちらと逃げ惑ひました。
怪鳥も元よりそれにつれて、高く低く翔りながら、隙さへあれば驀地に眼を目がけて飛んで来ます。